Ham's Life 4186

イエメンのカート

誘拐事件で注目されるイエメン。
周回遅れで、私が旅した頃の思い出を少し。

イエメンはとても美しい国です。
砂漠と高地の両方を備えたダイナミックな地形で、(日本人から見ればやや時代錯誤的に)誇り高く宗教心に厚い人々が暮らしています。
江戸時代や明治の頃の日本を訪れた外国人旅行者は、当時の美しい日本を同じように感じたんじゃないかなあ。。。と勝手に推測します。

見所としては、アラビアンナイトの世界そのままのサヌア旧市街、砂漠の摩天楼シバーム、山岳要塞都市シャハラ、(ラピュタは本当にあったんだ!)マナハ、サーダの変な建築群(これはイエメン全体に言えるけど)。。。
(アデンは行ってません)

しかし、観光名所の紹介は止めて、カートの習慣について。
以下のページに詳しいですが、
「イエメン人の命 =カート=(2002年2月)」
何度かトライして、その「美味さ」がわかりました。
味は生のお茶の葉のようで青臭くて苦いだけですが、柔らかそうな若い葉を選んでひたすら口の中に放り込み、飲み込まずに噛んでいきます。
苦いので、時々水を飲みます。
噛んだ葉はハムスターのように頬に詰め込んでいきます。

3時間ぐらい頑張って、もう口に入らないよう、という頃に、ふっと水が甘くなる。
ただの水がチョコレートにように甘くなるのだ。
軽い酩酊感があるが、ほろ酔い加減にも届かない。
コーヒーのように意識をはっきりさせる効果があるので、会議も盛り上がるだろう。

酒やタバコに比べて、ずいぶん気長な嗜好品だが、イエメンの社交文化に深く根ざしており、大人の嗜みとしての面もあるようだ。
イエメンの高地を旅すると、上から下まで気の遠くなるような段々畑を見かけるが、ほぼ全部カートだ。
たぶんイエメン最大の農産物で、それが全部国内で消費されている。

ところで、イエメンは銃の保有率が世界2位だそうだ(1位はアメリカ)。
地方に行くと、10代の少年でも、よくライフルやマシンガンを持っている。
武器に対する愛着は、男性の誇りに結びついているのではないかと思う。

今、イエメンを旅行しても良いかと問われると、私には何とも答えようがない。
様々な絶景と、親切な人々、そして日本にいると誤解しがちなイスラムへの認識を改めることができた。
が、護衛付きでないと行けない場所もあったし、この場所はマズイと感じた地域もあった。
しかし、サヌアのホテルの屋上から見た旧市街の町並みだけでも、いつかもう一度見たいと思う。

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